ChatGPTに搭載されている機能、Advanced Data Analysis(旧:Code Interpreter)は試されましたか?この機能はデータ解析にとても便利な機能なのですが、他にもできることが盛りだくさん。
高機能すぎてPCが苦手な私にはよくわからないよ・・・
と思っているあなた。むしろ、そんなあなたにオススメしたい機能になっています。Advanced Data Analysisを一言で説明すると、【パソコンが得意な事務員】。PCが苦手な方は、ExcelなどPCを利用した作業を得意な方に任せていませんか?事務員に自分の苦手な作業を代行してもらう気持ちで利用しましょう。
ただし、最低限の仕組みを理解しないとAdvanced Data Analysisの機能を十分に活用することができません。そこで、この記事では、Advanced Data Analysisを初心者の方に向けて徹底解説。さらに具体的な利用方法を紹介します。
Advanced Data Analysisは何ができる?
冒頭でAdvanced Data Analysisを【パソコンが得意な事務員】と紹介しましたが、具体的にどのようなことができるのでしょうか。以下は、その一例になります。
- Excelファイルの取り込み集計・グラフの作成
- PDFやWordファイルの読み込み・要約
- 複雑な計算処理
- ファイル形式の変換(画像・動画・テキストエンコード)
- 画像・動画編集
- QRコードの作成
パソコンが苦手な方は、このような作業を人にお願いしていないでしょうか。Advanced Data Analysisがあれば、一人で作業を済ませられるかもしれませんね。
更に、Advanced Data Analysisは多くのファイルを取り扱うことができます。具体的なファイル形式は次の記事を参考にしてください。
Advanced Data Analysisは有料ユーザー限定機能
Advanced Data Analysisは、ChatGPT Plusという有料ユーザー限定の機能になります。月額$25のサブスクリプション形式のため、入会にためらう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし最新のAIである【GPT-4】を利用できるので、ChatGPTをより便利に利用したい方は一考の価値があります。興味のある方は下記の記事を参考に、導入を検討しましょう。
Advanced Data Analysisはプログラム実行とファイル読込が可能
Advanced Data Analysisは、主に3つの機能が追加されています。
- プログラムの実行
ユーザーからの指示を解決するためのプログラムを作成し、その場で実行する - ファイルのアップロード
プロンプト入力フォームからファイルのアップロードができる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プログラムの実行
ChatGPTはユーザーからの指示を解決するためにプログラムが必要な場合、プログラミングを行います。そしてそれをその場で実行し、結果をユーザーに教えます。試しに、数学の処理をお願いしてみましょう。
するとChatGPTは計算結果を教えてくれました。ここで「コードの詳細を表示」をクリックしてみましょう。ChatGPTが生成したプログラムを確認することができます。
プログラムの内容が表示されました。プログラムが間違っていることもあるため、プログラムが読める方は直接確認したほうがよいでしょう。
ファイルのアップロード
Advanced Data Analysisでは、様々なファイルをアップロードしてChatGPTに処理をお願いすることができます。試しにテキストファイルをアップロードし、解読をお願いしましょう。
ここでは、ブログのネタが書かれたテキストファイルをアップロードし、その中からよいアイデアを教えてほしいことをお願いしました。するとChatGPTはテキストファイルを読み込み、よいネタを教えてくれました。
Advacned Data Analysisの活用事例
Advanced Data Analysisは多くの利用方法があります。ここでは、業務やプライベートで利用できる実践的な利用方法を紹介します。
PDFの読み込み・要約
Advanced Data Analysisを利用することで、PDFを読み込み、内容の要約や質問をできるようになりました。長い書類や論文を理解するのに最適です。
試しに、ChatGPTで利用されているAIのテクニカルレポートPDFの要約をお願いしました。これは英語で書かれていて100ページにもなるレポートで、とても読むのが大変です。
冒頭を抽出し、要約してくれました。続いて、最新のAI「GPT-4」は旧型に比べて、どれくらい数学の性能が向上しているか質問してみました。
「数学」「GPT-3」に関する個所を検索し、質問に関連した情報を抽出してまとめてくれました。論文をたくさん読まなくてはならない理系の大学生になくてはならないツールと言えるでしょう。
なお、PDFだけでなくWordファイルや大学生が論文を書くのに利用するTeXも読み込めます。様々なドキュメントデータが利用できるので、いろいろ試してみてください。
データの統計解析
Advanced Data Analysisの最も代表的な利用方法はデータ解析でしょう。CSVやExcel、JSONなど、多くのデータ形式を読み込み、統計処理を行うことができます。ここでは警察庁が公開しているオープンデータから、事故の多い県BEST3を解析してみました。
注意書きは重要です。注意書きが無くとも、失敗したらなぜ失敗したかを推測し再トライしてくれますが、それが続くとエラーになりやすいです。一度エラーになったら、エラーの個所を補足してあげるとスムーズに読み取るようになります。
CSVのデータとExcelファイルの都道府県コードを紐づけ、事故が多い都道府県TOP3を解析してくれました。全回答を見たい方は下記のボタンからご覧ください。
ChatGPT全回答
Advanced Data Analysisは複数のファイルにまたがる処理も行えます。もしこれをExcelで行おうとするとピボットテーブルが必要で、人によっては難しく感じるかもしれません。でもChatGPTならお手軽です。
計算問題を解かせる
Advanced Data Analysisはプログラミングで計算処理を行えるため、正確に計算を行うことができます。Excelで数式を組むのが苦手な方にオススメの使い方です。
ただし、数式をプログラムにするまでの考え方を間違えることもあるので、確認を怠らないようにしてください。
ダミーデータの作成
会社での教育や技術講演、プログラムのテストなどで顧客情報や案件の情報を利用したいけど、機密情報だから使えない…そんな経験はありませんか?社内の情報をそのまま利用できないときは、ダミーデータを用意すると便利です。
ダミーデータを生成する際は、ファイル形式は何か。何行必要か。どのような項目が必要か、具体的に指定しましょう。
ChatGPTへダミーデータを書くよう指示すると、ChatGPTはExcelファイルを生成し、ダウンロードリンクを張ってくれます。
下の画像は、ChatGPTが生成した顧客情報のダミーデータです。これを自分で作るのはなかなか骨が折れる作業ですが、ChatGPTに任せると一瞬です。
Advanced Data AnalysisはPCの作業が苦手な方にオススメ
Advanced Data Analysisは、AIとは縁が遠そうなPCの作業が苦手な方にこそ、一番オススメしたい機能です。【パソコンが得意な事務員】のような存在で、自分のやりたいことを文章で説明すれば、処理を代行してくれます。
PCが得意な方でも、ChatGPTが得意な文章の生成機能を活かした【ダミーデータの作成】や、計算プログラムの作成は、助かる方も多いのではないのでしょうか。
ChatGPTのAdvanced Data Analysisに限らず、同類の機能は今後さらに発展していき、仕事に必須の機能になることは間違いありません。今のうちに少しでも触れておき、どのようなことができるか、どのようなことが得意なのか、把握しておくとよいでしょう。